★本編★

其ノ弐、絆

【主要登場人物】
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【その他登場人物】
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*CP*

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「こんな感じ…かしら…」

夕立を予感させる冷たい風が吹く中、ふゆはは屋敷の庭園で結界の術を身につける為に励んでいた。
「飲み込みが早いですね、結界の連結部分も安定しています。流石、ふゆはさんです。」
ふゆはは術を覚えることが本当に早かった。
これも、彼女の意志の強さの為なのだろうか。
「結界の連結部分は、己の精神の乱れによっても崩壊しやすくなります。今の感覚を、よく覚えておくように。」
ここまでは、基礎中の基礎とも言えること。
関門は、すぐ先にあった。

「…さて、本題に入りましょうか。」
「!」
いつもより声音の低い伊丹。
それが合図かのように、突然、冷たい風が強く吹き付ける。
陽の光が、雲により遮られた。
伊丹の隣には、あり得ない者の姿があった。
「なん、で…」
「ああ、安心してください。これも僕の術によるものです。」

怪異の一つ、『怨霊』だ。
禍々しく霊気を放ち、怨み、憎しみによる唸り声を上げ、
強すぎる怨念の為か、その姿はとても生前の者とは思えないほど崩れ、口は裂け、眼は顔全体に増殖し、腕や脚には蛆虫のようなものが生えた、完全な異形となっていた。

こんな”もの”が、術で形成されているなど…。

「きゃっ…!」
目の前の現実を受け入れきれていないふゆはに、怨霊は容赦なく襲いかかった。
ふゆはは酷く動揺していた為、結界は呆気無く崩壊する。
「痛、っ…!」
崩壊した結界から怨霊が入り込み、容赦なくふゆはに攻撃を仕掛けた。
蛆虫のようなものが生えた腕に殴り飛ばされ、ふゆはは庭園の外壁に強打する。
「本物の怨霊は、待ってくれる程優しくありませんよ。」
「ッ…」
怨霊に続き、ゆっくりと伊丹が歩いてくる。

「言ったはずですよね。結界そのものを維持するには、気力と体力が必要になる、と。」
そう、これは結界の術を学ぶ為に行われている鍛錬。
いつもの、いつも通りの、術を身につける、自分の師との鍛錬のはず。
なのに、どうしてだろうか。
「ぐっ、…!」
今のふゆはにとって、伊丹すらも恐怖の対象であった。
いつもの、伊丹のはずなのに、伊丹には見えない、これじゃ、まるで…

「立ちなさい、ふゆはさん。貴方が習得したい術はこの程度だったのですか?」
「!」
ふと、我に帰るふゆは。
今、自分と敵対しているのは、この偽物の怨霊なのだ。

「っ…!」
意識が朦朧とする中、気力を振り絞って立ち上がる。
同時に、怨霊が再び襲いかかる。
「ひ、ぐっ…!」
咄嗟に、自身の周りに結界を形成し身を守る。

暴力的な圧力が結界越しにのしかかり、蹌踉めき、膝をつきながらもふゆはは必死に耐えた。
目の前に、あの悍ましい怨霊が、泣き声にも似た叫びを上げながら、血走った複眼でこちらを凝望している。
直視出来ず視界を遮るも、脳裏に目の前の怨霊が映り込み、全てが支配される。
本来なら、こうなる前に伊丹やナギたちが自分を守っていたはずなのに。

「この圧力で30秒耐えなさい。耐えられれば、今日の鍛錬は終わりにします。」
今の伊丹は、”あちら側”にいる。

『自分の身は自分で守りたい。』

そう、これは自ら望んだ結果だ。
だから、助けなど来ない。
これで、良かったんだ…、と
ふゆはは自分で自分の心を偽り、そう思い込ませる。
…助けてほしいなど、今更…

「いっ…!!」
結界に、亀裂が入る。
ここで崩されたら、全てやり直しになる。
この状況を脱するには、ただひたすら耐えなければならない。

時の流れを、残酷なほど遅く感じた。
先に強打した時の痛みなど、今はもう感じる余裕すら無かった。

今、何故この様な状況下にあるのか。
今、誰と敵対しているのか。
今、自分がどの様な姿をしているのか。
全てが、無と化する。

「ん、ぐ、あ”ぁぁぁッ!!」

スッ…っと、自身にのしかかっていた圧力が音もなく消える。
伊丹の言う時間通り耐えきったのだ。

「か、はっ……」
身体が、精神が、全てから解放される。
感覚の鈍った全身に、冷たい水滴が当たったように感じた。

土砂降りの雨が降っていたことに、今、ようやく気がついたのだった。

「…よく頑張りましたね。今日はこれまでにしましょう。」
「…はっ…、は…」
冷たい雨と共に、いつもの伊丹の声が身体に染み込む。
「初回にしては良い出来でしたよ、ふゆはさん。」
「は…、」

自分は今、何をしていたのだろう。
何が良い出来だったのだろう。
冷たい雨が吹き付ける中、ふゆははぼんやりした感覚でこれまでのことを思い出す。

「…。やはり…僕が思っている以上に、貴方はお強いようですね…」
そう言う伊丹は、いつもの優しげな表情をしながらもどこか悲しそうだった。
そんな伊丹が目に映り、ふゆはは徐々に意識がはっきりしてきた。
あの恐怖すら感じた伊丹は、もうそこには居なかったのだ。

「…ふゆはさん…。」
「っ…!だ、いじょ…ぶ、だから…」
俯いたままのふゆはに、伊丹は心配そうな声で手を差し出した。
しかし、咄嗟に起き上がろうとするふゆはに、その手は払い除けられる。

大丈夫、私はまだ、大丈夫だから。
だから伊丹、心配しないで。

「…本当に、どうしてもこの鍛錬が辛くなったら、身体も心も、壊れる前にちゃんと言ってくださいね…。」
「!」

ふゆはの心の中で、張り詰めていた何かが崩れだした。

「その時が言いづらい状況でも、僕は必ずふゆはさんの言葉を聞き入れますから…。嘲笑ったり、見放したりはしませんから…。これだけは、約束させて下さい…。」
一番言ってほしかった言葉、だけれども、一番言わないでほしかった言葉。

感情が、グシャグシャになる。

「だめ…」
「え…?」
「どうして…、どうして貴方はそうやっていつも優しいことを言うの…。」
ふゆはは俯いたまま、己の前に座り込む伊丹の袖を掴む。
力を使い果たした反動により、その小さな拳はきちんと握ることは出来なかったが。

「私、は…、いつまでも貴方の足手まといになりたくない…。貴方の弟子になって随分経つのに、怪異に巻き込まれた時はいつも守られてばっかりで…、いつかは、どうにかしなくちゃって、思っているのに…っ」
声を震わせながら、大粒の涙が雨と共に零れ落ちた。
「なのに…っ貴方のその優しい言葉を期待してしまっている自分がいて…っ、嬉しい、はずなのにっ…、辛くて…苦しく、て…っ」
「…。」

本心は助けを求めていた。
しかし、その思いを感情で押し殺していた。
自分で自分を殺してでも、伊丹に伝えた志だけは守ろうとしていた。

「足手まといだなんて…、そんなこと、一度も思ったことはありませんよ…。」

伊丹の優しく温かい声が、冷たい雨に混じり降り注ぐ。
「師として、親代わりの身として、貴方を守るのは当然の事です。ふゆはさんが、僕の足手まといになりたくないという気持ちと同じに、僕も、ふゆはさんを危険に晒したくないのです。」

その言葉に、ふゆははようやく顔を上げた。
涙で視界はぼやけるも、伊丹が優しく微笑むのがわかった。
「僕だけではない、ナギも、幻洛さんも、ツヅリさんも、裂さんも、みんな同じ気持ちでいるはずです。」
「…、そう、なの…?」
ふゆはは目頭に涙を溜めながら、目の前にいる師を見上げた。
「…ええ、ふゆはさんの事を大切に想う仲間ですから…。いや、仲間という表現以上の、絆でしょうね…。」

それは義務感でもない、当たり前の想いだった。

「だから、無理して独り立ちしようとしなくていいんですよ…。」
「い、たみ…。」
伊丹の優しい言葉に、ふゆはは涙が溢れそうになる。
「独り立ちするなとは言いません。ただ、それまでは、僕もふゆはさんのことを支えてもいいでしょうか?」
その言葉にふゆははゆっくりと頷き、再び伊丹の袖を強く握る。
もう、涙は見せたくないと、肩を震わせながら堪えた。

「…随分と、辛い思いをさせてしまいましたね…。」
伊丹は、ふゆはの淡い藤色の頭を撫でながら、赤子をあやすように背中を優しく叩いた。
師ではなく、本当の親のように。
「…ごめ、んなさい…。わたし、は…そんな…。」
「いいんですよ。弟子の心を理解できなかった僕にも非はあります。」
おあいこですね…、そう伊丹は笑った。
「さ…、屋敷へ戻りましょう。風邪でも引いたら大変です…。」
ふゆはは頷き、土砂降りの雨が降る中、伊丹と共に屋敷へ足を進ませる。

『少しでも貴方に近づきたい』
その思いが今、確実に、ほんの少しだけ前進した。

………

屋敷へ戻り、ふゆはは湯を浴びた。
先に負った傷に湯が沁み、今日の出来事を痛感していた。

あんなに禍々しい怨霊すら、術で再現できるなんて…。

本物と見分けがつかない程、完璧に似せられた怨霊。
伊丹は、どうやってその術を覚えたのだろう。
伊丹くらいの術者になれば、自分も使いこなせるのだろうか。
あの怨霊の姿は、どうして…、

様々な思いが溢れる中、ふゆはは湯から上がった。

………

「おつかれ。今日はまた随分と派手にやったようだな。」
皆で卓袱台を囲み夕食をとる中、ツヅリは言った。

ツヅリはこの屋敷で家事を担当しており、普段よりここに居ることが多い為、庭先での騒ぎを気にしていた。
術などの特殊能力は持っていないが、女性という見た目に反してかなりの怪力を持ち合わせている。
彼女のその怪力は成人男性5人分に相当する。

「お騒がせしてすみません。今回は怨霊を交えた模擬戦でして…。無論、その怨霊も僕の術ですが。」
伊丹が申し訳なさそうに苦笑いをしながら陳謝した。

「怨霊も術で成せるのか。霊術といい妖術といい、奥が深いな。」
伊丹と向かいに座る裂が興味津々に答える。

裂はこの万華鏡神社に属する用心棒の一人だ。
同時に、万華鏡村全体を警護する忍びで、伊丹やふゆはが扱う術とは異なる、忍術に長けている。

「あくまで偽物ですよ。それこそ、裂さんの忍術だって…」
と、それぞれが持つ固有能力について話が盛り上がる。

「…うう、やっぱり疲れた…。」
皆と卓袱台を囲んでいるという日常の安心感により、疲れをズッシリと感じるふゆは。
いつも正座で背筋良く食事をしているが、今日は糸が切れた操り人形のようにグニャリと曲がる。
鍛錬の際にできた傷が、未だにズキズキと痛む。

「それだけ我武者羅にやれば当たり前だ。もっと自分に正直に生きろ。」
これだからふゆはは…、と嘲笑う幻洛。

幻洛も、この万華鏡神社の用心棒の一人だ。
幻洛はふゆはたちのような術を使うことは出来ないが、”鷹ノ目”という相手の思考を見透かしたり、遠く離れた場所を見ることができる千里眼のような稀少な特殊能力を所有している。

「私にだって、それなりの矜持があるの。」
ムスッと、ふゆはは頰を膨らませ、幻洛を睨みつけた。

「…誰にだって危機に陥ることはある…。」
それまで黙々と食事をしていたナギが口を開く。

裂や幻洛と同じく、ナギも万華鏡神社の用心棒の一人。
ナギは身体の半分が悪魔で出来ている半魔という種族で、この世界では存在し得ない存在。
固有能力は魔術で、計り知れない力を持っている。

「…その状況下で、仲間に助けを求めるのも一つの戦術だ…。」
取り返しのつかない事になる前に、な…。
そう、ナギは淡々とふゆはに告げた。
「わ…、わかってる、から…。」
普段より無口無表情なナギから直接的な物言いをされ、ふゆははシュンと狐耳を下げる。

「とにかく、今日はゆっくり休んでください。また明日、気持ちを切り替えていきましょう。」
ふゆはの隣に座る伊丹が、優しい笑顔で補佐する。
「あ…ありがとう…。」
伊丹の笑顔に救われながら、ふゆはは止まっていた箸を動かし、食事を続けた。

………

万華鏡村がしんと静まる、丑三つ時の時間。
「…!」
ふゆはは自室の布団で横になるも、あの禍々しい怨霊の姿が脳裏で蘇り、眠れぬ夜を過ごしていた。

「寝られない…。」
こんな時間に、伊丹の部屋に行くのも如何なものだろうか。
伊丹も、自らの師である他に、万華鏡神社の神主でもある為、神社の仕事を抱えながら多忙な日々を過ごしているのだ。
流石に、迷惑千万であろう。

「あ…」

そう思いながら廊下を歩いていると、居間から明かりが漏れているのが見えた。
こんな時間に起きているのって…
わかりきった疑問を抱きながら、ふゆはは居間の襖を開けた。

「…どうした…。」
黒い羽織を身につけた、フワフワした銀髪の者…
ナギの姿がそこにあった。

ナギは半魔の為、睡眠は3ヶ月に1日しか取らないという特異体質を持っている。
その為、今日この日も眠る事なく一人静かに起きていた。

「いえ、その…眠れなかったから…。」
素直に、ふゆはは理由を伝える。
「…眠くなるまで居ればいい…。」

ナギは村の書物に目を通していたのだろう。
書物の山が、きっちりと卓袱台に置かれていた。
表情は一切変えず、ナギは再び書物に目を落とした。

長い沈黙が続く。

普段から口数が少ない上に、常に無表情で何を考えているのかわからなく、
そのくせ言うことは直球で心に突き刺さる言葉ばかり…
そんなナギの事が、ふゆはは少し苦手だった。
正直、もう自室に戻ろうかとも思っていたが…

「あの…」
先に沈黙を破ったのはふゆはだ。
というより、ふゆはが発言する他無かった。
「ナギは、その…危機的状況になった事とかあるの…?」
夕食の際にかけられた言葉を、ナギに質問する。

「…。」
ナギは暫くふゆはをジッと見たまま固まった。
そしてようやく目をそらし、少し俯き始めた。

必死に、思い出していたのだ。

「あっ、大丈夫、思い当たらないならいいから、うん…。」
これは流石に埒が明かない…
そう思い、ふゆはは半ば強制的に長考するナギを止める。

「そう、そうよね…、ナギも、みんなと同じで強いものね…。」
よく考えればわかったことだ。
ふゆはは自分自身に苦笑いした。

「…俺は…、皆と同じではない…。」
「?」
ふと、ナギは独り言のように呟いた。
不可解な言葉に、ふゆはは首をかしげる。

「…ふゆはもわかっているとは思うが、俺は半魔だ…。元より、この村、この世界では存在し得ない種族…。」

そう、ナギは半魔という異例の種族。
そんなナギが、何故この万華鏡村に住んでいるのか。
もはや共に暮らすことが当たり前となっていた為、ふゆははあまり深く気にしたことがなかった。
なんでも、悪魔の世界から投げ捨てられ、落ちた先がこの世界だった…
そんな話を、昔伊丹から少しだけ聞いていたが…。

「…俺は余所者だ。だから、皆と同じではない。同じになることなど、不可能に値する…。」
「!」
ハッと、ふゆはは我に返る。
「ご、ごめんなさい…!私、そういうつもりじゃ…」
「…わかっている…。」
決して皮肉を言っているわけではなかった。
しかし、ナギからすれば、そう捉えてしまうのも無理はないだろう。

再び、気まずい沈黙が続く。

「…みんなと…、同じになれなくても、それに近くことは出来るはずよ。」
「…?」
またも沈黙を破ったのはふゆはだ。
「一緒にご飯を食べたり、一緒に過ごしたりするだけでも良いんじゃないかしら。」
「…。」

貴方は余所者なんかじゃない。
たとえこの世界ではあり得ない存在であっても、
私達からすれば…、少なくとも私からすれば、もはや当たり前の存在なのだ。
だから、今まで通り、一緒に居てほしい。
そう伝えたかった。

「…、そうか…。」
理解出来たのか出来なかったのかはわからないが、ナギはいつもと変わらない表情で呟いた。
「それに、ナギにもそんな悩みがあったなんて、少し安心したわ。」
「…安心…?」
相変わらず無表情のままのナギに、ふゆはは笑顔を向けた。
「内容は同じじゃないけれど、悩みを持っているという点では、少なくとも私とは”同じ”よ…。」

身体が病弱なことにより、伊丹や皆に迷惑ばかりかけてしまう自分に落胆しているふゆは。
この世界にあり得ない存在として存在することにより、皆と同じように生きることができないナギ。

それが他者からの理解を得られなくとも、皆、それぞれ悩みというものを抱えながら生きている。

「…そうなのか…、俺には…少し理解し難い…。」
ナギは無表情のまま、ふゆはの言葉を理解しようとしていた。

「……うん…、だから…、だいじょ、ぶ…、」
「…ふゆは…?」
突然、呂律が回らなくなったふゆは。
うつらうつらと、頭が下がる。
「…だい…、じ…、だか…ら…、………。」
そのまま卓袱台に頭を突っ伏し、すやすやと寝息を立て始める。

普段あまり話したことがなく、少し苦手意識のあったナギとこうして話が出来たこと、
そしてまた、そんな無口無表情で力の強いナギも、実は自分と同じように悩みを抱えていた親近感と安心感により、眠気が一気に襲いかかってきたのだろう。

「…。」
無言のまま、ナギは立ち上がった。
卓袱台に突っ伏して寝ているふゆはを、寝室に戻そうと横抱きにする。
余程疲れていたのだろう、横抱きにされても、ふゆはは起きる気配がなかった。

寝室の布団に、抱えていたこの部屋の主を下ろすナギ。
月の光が、ふゆはの色白の顔を照らす。
ふと、ふゆはの頬に小さな傷跡を見つけた。
鍛錬の際に出来た擦り傷だろう。

無意識に、その小さな傷跡にナギは右手を出した。
悪魔としての、右手を。

「…!」
いつも無表情なナギが、少し驚いた表情をした。

自分は今、何をしようとしたのだろう。
所詮、自分は悪魔にも、この世界の種族にもなりきれない失敗作なのだ。

そう思いながら、ナギは足早にふゆはの寝室を後にした。

初めての感情に心を惑わせながら。

 

 
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